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挺出-Extrusion

2021年5月4日

こんにちは12ヶ月ぶりにブログの投稿をします。

それにしても、大変な日々が続いていますね。皆さんはどのように毎日をお過ごしでしょうか?
医療従事者として何ができるかなどを悩んだりしていた時期もありましたが、自分にできることは決まっていますよね。引き続き予防歯科を通じて小田原を元気にすること。それしかありません。
そんな風に考えられるようになったのは、こんな大変な時期にも通院して下さる患者様のおかげです。本当にありがとうございます。
なかの歯科は今年の6月で開院3年を迎えます。
患者様だけでなく、一緒に働いてくれているスタッフをはじめ、なかの歯科に関わる全ての人に心から感謝します。
今回ブログを更新しようと思ったのには理由があります。以前に自分が書いた「歯牙移植」「粘液嚢胞」などのブログの記事を見て来院していただく患者様がここ最近増えているからです。
知らない治療に興味を持ち、少しでも歯医者が身近に感じて頂けると嬉しいです。

今回は矯正の治療「挺出」について実際の患者さんの写真を使用してご説明します。写真掲載を快く許可していただいた患者様にも感謝致します。

差し歯がたびたび取れてしまうために、他の歯医者さんから紹介されて受診された患者様です。
写真を見ると残っている歯が非常に小さくて、歯茎の中に埋まってしまっていることが分かります。レントゲン写真では1.5cmほど歯茎の中に歯の根が残っているように見えます。
治療して歯の機能を回復させる際に、その後の歯の寿命は残っている歯の量で大きく変わります。歯茎の上に歯が残っていない歯は、治療した物が外れたり(脱離)、残っている歯の根が折れる(歯根破折)が非常に起こりやすいです。歯は大きければ大きい程いいんです。
今回の写真の状態では歯を抜く(抜歯)治療を選択されることが多い思いますが、保存する方法が二つだけあります。
一つは、その歯を歯茎の上に引っ張り上げる挺出と呼ばれる矯正の治療です。二つ目は歯茎を動かして、歯茎の上に歯を無理やり見えるようにする、歯肉弁根尖側移動術です。
今回の患者様は残っている歯の長さが短いため、どちらの治療を選択しても歯の根の長さが短くなること(歯冠歯根比の悪化)が問題となりますが、歯を抜かない治療を選択されましたので、清掃性がよい状態で歯を使っていただけるように挺出を行うことになりました。
装置はこのような隣接している歯牙にワイヤーを固定するタイプの物を使用しました。
矯正の治療期間は2.5ヶ月ほどで、最終的には白い被せ物(クラウン)を作製しました。
ご依頼いただいた部位以外の治療は、かかりつけ歯科医院で行っていただきます。
この文章の10倍くらいの長文を書きたいところですが、誰にも読んで頂けないと思うので、全ての説明を聞きたい方には直接ご質問してください。
歯を抜きたい患者様はいらっしゃらないと思います。自分も抜歯は正直行いたくない治療のひとつです。挺出や歯肉弁根尖側移動術で歯の寿命がのびておいしいご飯を食べられるようになるお手伝いができたら嬉しいです。
最後までご覧頂きありがとうございます。
天気が良いので本日はメダカの家の治療(リフォーム)を行いたいと思います。皆様もよい連休をお過ごしください。