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虫歯 リスク
2018年9月23日
こんにちは、院長の中野です。
今回は、以前のブログでふれた、虫歯(う蝕)のリスクについて一部掘り下げて書こうと思います。
今回も「BALANCE」からいろいろ引用しています。
前回のブログで、虫歯のリスク因子について
#1 う蝕の罹患状況 #2 現在の細菌の侵襲性 #3う蝕の病歴 #4 食習慣・食生活 #5 現在の服薬状況 #6 唾液流出量 #7 内科疾患 #8 矯正装置の有無 #9 口腔清掃習慣
を挙げました。リスクや、それによるう蝕の兆候や症状の深刻度は複数のリスク因子が重なり合うほど増大するといわれています。
#4 食生活・食習慣: 食べたり飲んだりするごとに、人の口の中(口腔内)のpH値は酸性に傾く。
飲食の回数が増えるほど、口腔内のpH値が酸性に傾く回数も増える。そしてそれは、う蝕病原細菌が増殖するきっかけとなる¹。食べ物を食べた後に酸性に傾いた口腔内の状態も、唾液の機能でpH値は正常レベルに戻ります(中和)。
当院で患者様に説明するアニメーションの静止画があります。
食事を召し上がった後に、グラフが下向きになり、赤い部分が脱灰と呼ばれる歯が溶けている状態を表しています。
pH値が低下して、歯から無機質がいくらか失われても、その後にpH値が回復することで平衡が維持されています。
しかし、間食の回数が増えるとそれだけで脱灰している時間が非常に多くなることがわかります。
このバランスの喪失が、う蝕増加の主な原因だと言われています。
著書「BALANCE」には、飲食物の摂取回数が増えるにつれて、酸が侵襲する回数が増えるので、水以外の飲料や食べ物の摂取頻度を1日に最高で4~5回に制限すべきである²。と書いてます。厳しい。。
忠実にそれ通りの生活を送るのは難しいですが、食生活がそれだけう蝕のリスクに影響があるということを知って頂けたらと思います。
#6 唾液流出量: 唾液は歯を守る重要なもので、食べ物の消化・微生物からの感染予防、口腔内pH値のバランスを保つ、歯の石灰化を誘導する役割を持っています。安静時の唾液量が0.25~0.35l/分であれば正常量という基準があります。
唾液の不足(ドライマウス、口腔乾燥症)は、う蝕などの歯科疾患の主要なリスク因子となります。
一般的に男性よりも女性に多く、若年者や中年者よりも、高齢者で多いと言われています。
原因には、ストレス・栄養不足・年齢・遺伝・疾患・薬剤の副作用が挙げられます。
唾液量減少は、原因療法や唾液腺マッサージなどの対症療法でどれだけ改善がみこめるかわからないので特にう蝕予防に力を入れる必要があります。
ここまでブログをご覧頂いている方は、そろそろ読むのがきつくなっているのではないでしょうか、、、
実は書いている自分もそろそろ限界です。笑
普段診療の際にこの内容以上の話を延々と聞かされる患者さんが、どのように思っていたかを想像すると不安です。不安を通り越して、怖いです。
でも、知って頂きたいです。それは一度悪くなってしまった歯は元に戻らないからです。
医院には説明がわかりやすいようにアニメーションも多数用意してあります。話しているだけではありません。
疑問に思ったことや、自分の説明でわかりづらいところがあれば何でも聞いてください。お答えできるように日々勉強してます。
今回のブログはこのへんで終わろうと思います。わかりやすく物事を伝えるのは難しいですね。文字にするとなおさらです。
参考文献はこちら、偶然同じ研究者でした。
1. P. D. Marsh, “Dental Plaque as a Biofilm: The Significance of pH in the Caries Process: “JDR90, March 2011
2. Philip D. March , Oral Microbiology, 5th ed 2009
もうすっかり秋ですね。患者様にすだちを頂いたので、連休中に焼き魚にたっぷりかけて頂こうと思います。昨年まで勤めていた職場のバーベキューで秋刀魚食べた写真がなつかしい。
時々、患者様に頂き物をします。医院にきて頂くだけでなく、おいしい物を差し入れして頂く気持ちが本当に嬉しいです。スタッフみんなで山分けして大事に頂いています。ありがとうございます。恩返しができるように日々全力で働きます。今後ともよろしくお願い致します。