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乳酸菌は虫歯予防に効果があるか?
2018年10月24日
こんにちは、院長の中野です。
先日、患者様から乳酸菌が虫歯や歯周病に効果があるのかという質問がありました。
今回のブログでは最近テレビなどでも取り上げられているプロバイオティクスについて書きます。
プロバイオティクスとは「 宿主に有益に働く生きた細菌(=有用菌)によって構成される添加物 」
と定義されます。テレビなどでは乳酸菌という名前で紹介している番組も見たことがあります。
いつも引用している本には
現在市販されているプロバイオティクス製品のうち、Streptococcus oralis、Streptococcus uberis、Streptococcus rattus、Lactobacillus属やBifidobacterium属などの菌種を含む物について、研究が進められいる。これらの菌種は人間が摂取しても安全だと一般的に認識されているものの、さまざまなプロバイオティクスの疾患への効果については、複数の研究結果をメタアナリシスやシステマティック・レビューにかけたものを、慎重に検討するべきである。個々の研究では、ある特定のプロバイオティクスの菌株が、ある特定の状況下で、ある特定の病状に対し効果を発揮することが示されている。しかしながら、まったく同じプロバイオティクスというものは存在しないため、菌種や菌株、製剤処方、投与間隔が異なる研究からは、同じような結果を再現できると期待すべきではない¹。
と書かれていました。まだまだ研究中の分野であり、効果があるという症例報告があるものの、再現性がないため、現段階で科学的にプロバイオティクスが、う蝕や歯周病に効果があるとはいえない。と解釈しています。
時間がたてばこの概念が変わる可能性もありますが、なかの歯科では上記のような説明を患者様には行います。
何かご質問がありましたらおたずねください。お答えできるように頑張ります。
最近朝晩だいぶ寒くなってきたので、風邪などひかないようにしてください。
次かき氷を食べるのは来年ですね。
1 A. Minocha, “Probiotics for Preventive Health,” Nutr Clin Pract 24 (April May 2009